夕焼けに響く悲鳴
君なら、どうする。
買い物帰り
夕焼けに染まる田圃道を歩いていた。
もちろん畦道ではなく、舗装されたアスファルトではあるが。
両手に持った荷物をガサガサと揺らしながら歩いていると。
「助けてぇぇ…」
遠くからか細い声が聞こえた。
ちょうど俺の進行方向で、正直聞こえなかったことにして別の道を選びたかったが、猫をも殺す好奇心に負け、興味半分で様子を確認しにいった。
前方には女子が三名。
傍目に見ればじゃれあってるようにしか見えないが、もしかしたらいじめられてるかもしれない。
ヤバイ。どうしよう。
よく見ると携帯電話を持ってるように見える。
ここで秒速300回転する俺の頭が働く。
携帯持ってる→いじめの動画→俺映る→拡散されて俺叩かれる→俺がいじめられる
ヤバイ!ヤバイ!
すでに携帯の射角に入ってしまっている!
警察か…?でもいじめられてなかったら?
再度鳴り響く悲鳴。
「助けて!」
マジか…。
そっと携帯に手を伸ばす。
脈打つ鼓動。
嫌な汗が流れる。
「ちょ、マジで警察来ちゃうよw」
「www」
「きゃーwww」
………。
ふざけんじゃねぇ!
小学生ならまだしも、高校生以上(見た目と声)で、外で、しかも公衆の面前である道路ではしゃぐんじゃあない!
冷静に考えれば、あんな広い場所でいじめなんていうのもおかしな話だけど。
俺のあの苦悩は。
マジで警察を呼ぼうとしてた俺は。
ちょっと安心したけどね
何事もなくてよかった。
いざとなったら左手で持っていた弁当を投げつける所存でありましたが、それをせずに済んでよかったよ。
みんなも気をつけよう!